国籍不明雑炊 – なりゆき主夫のリアルな日常 – 楽天ブログ(Blog)

子供がいると、昼食を手抜き出来ない?のが残念だ。
私と妻だけだったら、とりあえず冷蔵庫にある残り物でもかまわないのだが、一応、栄養バランスのようなものを考えたりする。
かといって、午前中買い物をするのも面倒なのである。
冷蔵庫を見ると、なんとなくしなびた野菜が入っている。
トマト(特売品、既にジュース用)ピーマン、ナス。
たんぱく質は、こうや豆腐・・・
これで何を作るべきなのかよく思いつかない。
とりあえずトマトは潰してジュースにした。
イタリア風に煮て、リゾット風にしてみよう。
乾物を見てみると、(子供があまり好きではない)雑穀がある。
これも嫌いだからといって食べないでいると、賞味期限が切れた後で捨てるだけになる。
これを使ってみるか。
コンソメが見当たらない。
和風だしでいいか。
ついでに煮干も入れてしまおう。
入れた後で気がついたが、雑穀の袋の裏に、5時間くらい水につけて・・・と書いてある。
これは・・・ちょっと失敗したような気がする。
とりあえず煮込んでいるうちに、かなり風変わりな香りが漂ってきた。
どうやら雑穀とトマトの組み合わせがこの香りに繋がっているようだ。
妻にも、ちょっと味見をしてもらった。
「う?ん、これは・・・」
「食べたことのない味だよな。乾物の独特の香りが、トマトとぶつかって、国籍不明の臭気になっているみたいだ」
「不味くはないけど・・・」
子供が腹をすかせているので、雑穀は中々柔らかくならないが、ピーマン、ナスを投入して、完成させた。
「これはなんていう料理なの?」
「これは・・・名前はない。まあ、雑炊だな」
小3の長男が「おいしい!」と叫んだ。
長女と次女は、とりあえず無反応で食べていた。
子供にとってはそれほど不味くはないのか?と思い、後片付けは子供に任せて仕事をすることにした。
しばらくして、次女が「あんまりお腹すいてない」といって降りてきた。
やっぱり、不味くて食べられないのだな。
でも、作った本人にそういうことは言えないのだ。
「じゃ、パンを食べなさい」
と言って、パンを出してやると、残さず食べた。
長女は、相当時間がかかったようだが、全部食べたようだった。
「不味かった?」と聞くと、「不味くはないけど・・・」と言った。
「正直に言ってもいいんだ、無理に食べなさいといってる訳じゃない。不味かったらマズイ、と言っていいんだよ。それじゃあ申し訳ないと思うんだったら、あまり好きじゃないといってごらん」
「・・・・」
用心深いのか、よくわからないのか、反応がない。
「ま、不味くはないけど、それほど好きじゃないってところか?」
「それぐらい」
「そうか、でも、まだいっぱい残ってるから今日の晩御飯もこの雑炊を食べてもらうよ。」
5時間くらい水につけなくてはいけなかった雑穀の残りが、水分をチューチューと吸い込んで、作った当初以上の量になっていた。
申し訳ないが・・・私も全部責任食いするほどの根性はないし、あるものを食べるのも修行のうちだ。
でも、何の修行なのか?
ということで、晩御飯は例の雑炊の残り。これだけではあまりにも可哀想なので、鶏肉ハンバーグとニシンの塩焼きが付け加わった。
「これ、おいしいんだよね」といって、喜んで雑炊を食べていたのは長男だけ。大人はともかく、長女と次女はブルーになっていたようだ。
「食べたくないんだったら、他のものを食べな。残す前にいいなさい」次女は、早くもギブアップ。その残りを長男は喜んで食べるが、長女は「食べられないの?」と聞くと、一応食べるふりをする。
「正直に言えば、作ったオレもこんな味になると思っていなかった。たぶん、マズイ、と思う」
長男が「え?おいしいよ」と言った。
「いや、それは人それぞれ。美味しいと思う人もいれば、マズイと思う人もいる。それは好みの違いだから、別にいいんだ。ただ、オレも美味いと思っている訳じゃないから、最後の最後で残されて、それを食べるのが嫌だ、といっているんだ。さあ、どうなの?食べられなければ残しなさい」
長女は項垂れている。
「別に怒ってないっていってるだろ!」
(という時点で怒っているか・・・)
「じゃあ、今日は残しなさい、それを残してパンを食べなさい」
というと、「コーンフレークを食べる」という。
「ああ、好きにすれば」
長女は好きにしてコーンフレークを食べていた。
別にどうでもいいんだけど、腹が立つのは私の未熟さのせいか?
それにしても、たしかに国籍不明、雑穀雑炊はあまり美味しいとは思えなかった。
むしろ、それを「美味しい!」と叫んだ長男の好みが変わっているのかもしれない。

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