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不動産屋の営業テクニックその3

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オプレーシブグレイン・SOHOアベニューの前、玄関のチャイムを鳴らす

玄関が開く
「ちょっと~早いじゃないのよ、まだ片付けてないわよ」

「いや!実は・・・2人いるんです」

「あら、そうなの、よかったじゃない、ちゃんと納得してるんでしょうね」

「いや・・・っていうか、部屋1つしかないでしょう?」

「同居じゃないの?」

「いや~・・・」

「あんた、本当にはっきりしない男だねえ、どら、借りたいのはどこにいるんだい?あの小さい車の中に閉じ込めてるのかい?私が話を聞いてやるよ」

「あの、部屋片付けてないんじゃ・・・」

「片付けるの手伝ったらどうなの?」

「・・・」

「どらどら、そこにいる2人かい?あら~こんにちは、ようこそ~。ね~車臭かったでしょう?狭いしね~」

「・・・」

[「こんにちは」

「お二人、ご夫婦なの?」

「いえ、とんでもない!こちらの方とはさっき不動産屋さんで会ったのがはじめてです」

「あら、冗談よ、全然夫婦には見えないから安心していいわよ」

「・・・」

「大家さんですか?はじめまして、坪内と申します、どうぞよろしくお願いします」

「よく来てくれたわね。失礼だけど、独身なのかしら?いえ、細かいことはいいのよ、うちは一人一人のプライバシーはしっかり守るからね、それとも、離婚したのかしら?」

「・・・死別です。元々大学結婚だったのですが、主人は留学先で亡くなってしまって・・・しばらく夫の家族のお世話になっていたのですが、それぞれの事情があって、私もお世話になりっぱなしじゃ申し訳ないので、自立しようと思いまして・・・」

「そうなの~大変だったのにごめんなさいね、一応、まだ契約はしてないけど、もしこれから一つ屋根の下に暮らすことになったとしたら、最低限のことを知っておかないとね、防犯上の問題もあるのね」

「わかります・・・私には両親もおりませんし、身寄りは、義理の両親と、主人の兄弟だけです」

「いいのよ、そんなこと。つきあってる人はいるの?」

「いえ・・・」

「そうなの~いいのよ、何も言わないで。わかるわ~。あなたは?」

「つきあってる人ですか?」

「いいえ・・・あなたも、物件をお探しなの?」

「ええ・・・が、勧めてるのでね」

「あ~ら・・・そうなの~」

「・・・元同僚なんですが、コック見習いだったんですよね」

「あ~ら、そうなの~・・・」

「執筆業ですがね」

「うちは基本的にSOHOハウスだから仕事はなんでもいいのよ、ただ大きな音を立てる仕事とかは困るのね、今時はみんなパソコンじゃない?だからうちは本当に静かよ」

「私も、今、住んでいる所が煩いので、静かに仕事が出来る場所を探しているんです。同居人は?」

「今は、やっぱりIT関係の仕事をしている40代の男性が一人いるだけ。後は私ね、それと、もし入居希望されるんなら、彼女ね」

「部屋はみせてもらえないんですか?」

「ちょっとまってね・・・」

「え?私ですか?」

、の耳元で「部屋の中のものを全部隣の部屋に移して頂戴。ちゃんと雑巾で拭くんだよ、それから・・・玄関においてある靴、全部風呂場に投げ込んでおいて」

「・・・」玄関の中に入っていく

「先に、2階の部屋を見せるわ。部屋といってもね、ふふふ・・・」

「・・・」

「とっても広いから、驚くわよ」

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