最初は解雇宣言。 – なりゆき主夫のリアルな日常 – 楽天ブログ(Blog)

その日は突然の解雇宣言から始まった。
いつもと同じように気乗りのしない業務に、他の従業員より早めについていた私は、皆が出社して、社長が出社してきても、その後、会社の雰囲気が良くないことに対しても、さほど気にもしていなかった。
ま、よくあることって感じだったけど、いつも開けっ放しの社長室の窓が閉まっているのがちょっと日常ではないという程度。
また何か問題おきたのかい?ってな感じだった。
私は社長室に呼ばれた。
「実は、業績的に云々・・・・ようするに、君に対して解雇宣言をしている訳だ。」
唐突な解雇宣言、私の口から出てきた言葉は、「ハア。」だった。
社長は、「スマン!」といった。
私は、「いえいえ」といった。
「じゃあ、今日限りということですか?」というと、社長は「うん」と答えた。
「仕事の引継ぎは工場長に言ってあるから。後、いろいろ手続きは経理から話があるから」
「そうですね。お世話になりました。」
社長がもう一度「スマン!」といったので私ももう一度「いえいえ」といった。
胃の痙攣が始まったのは社長室を出てからだった。
ゲー!っと吐きはしないが、胃が痛い。
内臓が健康で、物事に悩むことのない私は、胃が痛いなんてことは殆ど経験したことがない。
二日酔いでも胃は痛くなることは殆どない。
(吐くことはよくありましたが・・・)
でも、胃がギューっと押される感触、一瞬にして口の中がカラカラ、指先振るえ、「おお!オレって緊張してんじゃん!」と他人事のように評価しつつも、自分自身の目の前で現実に起こっている事を冷静に判断する余裕は全然なく、さあ、どうしよう。
とりあえず今日やることをやるか、という結論に。
その日解雇宣言をされたのは3人。
2年前にも大幅解雇をして、その時には私は残った訳で、いつかまた、こういう事態になると予想していたので、気持ちの準備は出来ていたつもりだったが、やっぱりあまり出来てなかったみたい。
思ってたよりちょっと早かったかな?。
すぐ妻に連絡したほうがいいか?
いや、連絡してなんになるんだ?
一日悩んで過ごすだけだし。
ま、その日は結局引き継ぎなどで過ごしたわけだが、
考えてみれば、私は明日から「クビ」なわけなので、
その後仕事が順調に流れなくてもなんの支障もない。
そう思えば、不安を抱えた残された?従業員を励ますことだって出来る。
「まあ、なんとか頑張って。」「なんとかなるもんですよ。」なんていって。
何人かから飲みに誘われたが、「とりあえず後で行きましょう。」と断った。
(その後誘いはありませんけど・・・)
帰りに携帯(安心だフォン)から妻に電話。
「ま、いつかはこうなるとは思ってたけど、今日だとは思ってなかっただけのこと。」
「とりあえず帰ってから話しましょう。」
ということで、自転車に乗っての帰り道。
この自転車も家の前に止めっぱなしだったけど、駐輪場所を家の横に変えよう、なんてことを漠然と考えていた。

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