サバイバルバーベキュー – なりゆき主夫のリアルな日常 – 楽天ブログ(Blog)

妻の友達、のお友達と、河原でキャンプをすることになった。
妻の友達は中学時代の同級生。写真家で、実際に写真は素晴らしいと思う。
ただ、当然妻と同級生であるから、私とも同じ年である。
いや、別にどうでもいいか・・・万が一日記を発見させると危険だ。
誰の目にとまるか判らないのだ。
既に妻の母にもバレてしまっている。
あまり気にしだすと日記が書けなくなるが、多少の緊張感は必要かも。
その妻の友人の彼氏が、所沢に住んでいて、近いうちに同居するということらしい。
素直に考えて、ヨカッタネ、ということです。
別に奥歯に物は挟まっていない。本当だ。
こういう書き方をするから余計に変に考えられるのかもしれないが、本当だ。
その彼氏の家の近くで、バーベキューをやろうという。
うちは子供が3人いるから悪いんじゃ?とも思ったが、お言葉に甘えて行くことにした。
これも本当に悪いと思った。嘘じゃない。
私はとても人の気持ちを大切にする人間だ。
(これは少し嘘かも)
とにかく、朝7時に家を出て、首都高、外環、関越を経由して、所沢まで行った。
私は運転していないけど。
私は妻の高性能ナビなのだ。
時々間違えるが、とても高性能だ。
ランニングコストはちょっと高いが、ナビをしないときは料理だって作る。
事故で渋滞していたので、退屈しのぎに車内で子供達に日本語会話教室をやった。
「初めて会う人に挨拶するときはどう挨拶すればいいと思う?」
「はじめまして?」
「ダ?メだ、そんなんじゃ。いいかい」
私は発音の基本を教えた。
「ハジメマシテ!!ボクは○○といいます!小学○年生です!今日はよろしくお願いします!!」
妻が、「ちょっと怖すぎ」と言った。
「いや、オレが言えば怖いけど、子供はこれくらいがちょうどいいんだっほれ、言ってみな!」
「はじままして?ぼくあ○○、小学校・・・」
「ダメだってのそれじゃ。だんだん声が小さくなって聞こえないだろ!」
「だって?恥ずかしいんだもん」
「アホ!そんな挨拶聞いてるこっちが恥ずかしいわ。いいか、オレがちょっと真似してやる」
私は子供の真似をしてみせた。「だうだ!情けないだろう?これじゃ大人に、ま?この子は、ネチョネチョした子ねって思われると思うぞ。ハジメマシテ!!どうだ?ちょっとビビッってしまうだろう?もしかしたら、この子はとってもいい子だから、お小遣いあげちゃおうかしら?なんて思うかもしれないぞ」
「あのね、でも、はじめて会う人は男の人でしょ?なんで女の言葉になってるの?」
「それは・・・オカマかもしれんぞ。とにかく、練習だ!」
車の中で、大声で発音練習をした。
「よ?し、いい感じになってきたな。ところで、ちゃんと言えると思う?」
「やってみないとわからない」
「じゃ、とりあえずやってみるか」
と、いうことで、人間ナビとしてはあまり機能していなかったが、無事、待ち合わせていたセブンイレブンに着いた。
妻の友達は、以前写真展で会ったときより大分リラックスした雰囲気で、
人間的に幅が出てきたという感じだった。いや、言葉を選んではいない。本当にそう思った。
彼氏は、とても物腰の柔らかい、人当たりのいい人だった。
オカマではなかった。本当だ。そうは見えないし、そうじゃない。たぶん。
子供達は、車のなかでモジモジしているので、「ほれ、ちゃんと挨拶してごらん、降りれ」
「はじままして・・・」
ダメだこりゃ?。
ま、いっか!そのうちちゃんと言えるようになる日が来るかもしれない、来ないかもしれない。実際に、自分が子供の頃出来たかといえば、出来てない。
大した問題ではないが、大した問題でないことに躓くのはもったいない。それだけのこと。
実際にバーベキューをやる予定のキャンプ場?は、ここから1時間くらいかかるところらしい。
もう1組の家族が一緒だ。
彼氏のお友達の奥さんと子供らしい。
詳しいことは知らないし、知られちゃいけない、いや、言わないことは聞かないので、詳しいことは知らないが、旦那様とは別居中らしい。
3、4、5歳の子供と一緒だ。上が男の子で、下2人が女の子。
以外(失礼)と良い子たちだ。うちのみたいに「へなちょこ」でもない。
ま、子供ってのは、大きくなるにつれ、「へなちょこ」になっていくものなのかもしれないが。
1時間くらいあるので、さらに先ほどの日本語会話初級編の続きだ。
「さっきはかなりへなちょこだったな。まだにやけていたからよかったけど、あれで三白眼だったら相当危ないぞ。じゃあ次は、初めての挨拶子供編だ。さっき小さい子達がいただろう?あの子達と挨拶するのは大人とは違うぞ。どうやるか見本をみせてやるよ。」
私は、ハリーポッターならこういうんじゃないかというような、子役の吹き替え風に言った。
「やあ、ボクは○○、キミは?」
先ほどの実技試験で多少緊張が取れたのか、こっちのほうが多少はマシか。
「じゃ、お姉ちゃんもやってみな。」
「やあ、ボクは○○」
「アホ?!!おまえはボクじゃないっての!ただオレが言うとおりにいってどおすんだ!自分に当てはめていうんだよ!」
「○○みたいに?」
たぶん、ハリーポッターに出てくる女の子の名前か?
「そうだな・・・そういうつもりでいってみな」
「放送部のときみたいに言ってもいい?」
「勿論。でもネチョネチョするのは止めてね。」
「ネチョネチョしてない!」
日本語会話入門は子供達にとっては殆どゲームのようなもんだ。
では、3人順番に発音練習だ。
「よ?し、だいぶよくなったぞ。ところで、ちゃんと言えると思う?」
「いや・・・」
「ちゃんと言えなきゃ意味ねえだろ!」
「だって、バカじゃない?って思われるよ」
確かにそうだ。そんな吹き替え日本語を喋る子供に私も会ったことはない。
「ようするに、それを自分流にアレンジして、喋ればいいんだよ。大事なのは、名前を紹介するってことなんだからな」
目的地に着いた。
思っていたより、地味、な、キャンプ場?
そこは、秘密の渓流釣りスポットという感じだった。
「上に管理釣り場があるんですけど、言えばそこから放流してくれるんですよ。ま、実際には、そこからマスを買ってきちゃおうと思ってるんですけどね。」
彼氏は、子供の心が解っていた。
釣堀では味わえない、サバイバルテイスト満載のバーベキュースポットなのだ。
車を置いてある場所から、河原まで、ロープで降りていかなければならないのだ。
うちの長女はビビって中々降りられない。
「こ、コワ!!」
はっきり言って私も怖い。滑って落ちたら全身打撲で二度と上がってこられないだろう。
しかし、子供よ、お前達はそれくらいクリアしなくてはダメだ。
私達大人は、バーベキューセットを持って降りなくてはいけないんだぞ。
先客の釣り人たちが、「おお?!!それ持って降りてきたの?」
と感激していた。我々は「いや?・・・」と照れ笑い。
子供達が石を投げて、釣りの邪魔をすることは確実なので、この辺のお愛想は必須だ。
火をおこして、バーベキューをして、子供達と釣りをして、買ってきたニジマスを石を並べた作った簡易生け簀に放流し、子供の視点で遊んでくれる、素晴らしい彼氏だった。
子供達も、とりあえず仲良く水しぶきを立てて、魚をイジメて遊んでいた。
苛め抜かれた魚を焼いて、「焼けたぞ」というと、「食べない。」
子供は誰も食べない。いや、末っ子だけは食べてたか。
ん?何かが違ってる?
ま、いいか。魚を奪い合うより、大人が食べてしまおう。
さんざん遊んで、「帰りにもう1箇所だけ、いってもいいですか?彼岸花が一面に咲いているところがあるんですよ」
子供達はなぜか「温泉がいい?!」といっていた。
たぶん、近くに健康ランドのような施設があると誰かに聞いたのだ。
私も出来れば温泉のほうがいい。しかし、一応それは私が決められることではない。
あくまでも私のナビ機能には、おすすめスポットを推薦するものはついてない。
私は「ダメだ。」と言った。
その彼岸花が一面に咲いている公園に着いたときには既に日が落ちて、一面に咲いているんだな?といった雰囲気だった。
しかし、妻の友人と彼氏は、子供達をポニーのいるところまで連れていってくれた。
「触っちゃったよ!あったかいよ!ペロって舐めたよ!うまクサッ!!」
そういえばなんとなく天然肥料の匂いがする。
そのとき、すごく近くで「ぶひひ?ん!」と馬の嘶きが聞こえた。
そんなに近くにいたのか。見えないけど。
帰りに、ファミリーレストランで食事をして、「今日は楽しかったです。どうもありがとうございました」とみんなで挨拶をして、別れた。
帰りの車で、長男は興奮冷めやらぬといった感じで、ベラベラ喋りまくっていた。
「でね、あの男の子がね」
「ん?ちょっと待った。あの男の子の名前は?」
「知らない。でね・・・」
「誰も自己紹介はしなかったのか?」
「してない」
「あっそう・・・」
ま、いいか。
ハリー・ポッターへの道のりは遠い。
ちなみに、私はまだ本もビデオも見ていない。
それより、ロープ登りで全身が筋肉痛だ。
子供達を育てるのはやはり体力だな?と痛感した。

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