ミッション・インポッシブル靴職人編 – なりゆき主夫のリアルな日常 – 楽天ブログ(Blog)

5時過ぎ、私は工場長に呼ばれた。
「おまえちょっと、秋葉くんと一緒に行け」
「はい、でもノリ塗り残ってますけど・・」
「お?い!代わってやれ」
「いいよ後は俺がやっとくから」
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「すみません!Bさんよろしくお願いします!」
「悪いね?忙しいのに」
「でも、たまにはいいでしょ?息抜きにもなるよ」
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「そうですね。(^_^;)で、何をするんですか?」
「これからこのトラックに乗って、靴を取りに行きます」
「わかりました」
ということで、大型トラックに乗った。
「こんなトラックどうしたんですか?」
「借りたんだよ」
「は?・・・(何で借りたのかが判らないが)」
「穂高さんもさ?。給料安いのによくやってるよね?。残業代もないんでしょ?」
「は?・・・(なんとなく、探られているのだろうか)」
秋葉さんはいくらもらってるかは知らないが、社長は入社する際にこういった。
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(大体、キミの年齢の相場はこれくらいだけど、キミは未経験者だから2万円ほど少なくするよ。だけど一緒に働いている職人はもっと少ないから、絶対に言うなよ)
ということ。
秋葉さんは私と同世代であり、(一応)妻子持ちなので、理屈的にも私より2万円多いという感じか。
ただ、職人の弟子のように働いている私が職人よりも給料が多いとしたら、これはかなりマズイような気もする。
というより、何か裏があるというか。
「でも、実際それほど悪くないと思いますよ。前職でも残業代はつかなかったですし、確かに体はきついけど、仕事があるだけマシですから」
(どちらかというと、ぬるま湯に近いですよ?)
なんて言いそうになってしまったのをぐっと我慢した。
口は災いの元である。
秋葉さんは憐れみを含んだような妙な顔をして私をチラッと見た。
「そういえばさ?。Bさんっていつもサボってない?」
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「そうですね?。(笑)要領がいいというか、仕事してるふりが上手いですよね」
「Dさんとか一生懸命にやってるのにさ、全然仕事してるように見えないんだよね」
「ああ?なるほど。Dさん・・・真面目ですもんね」
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Dさんは、どちらかといえば手が遅い。
丁寧ではあるのだが・・・
確かに一生懸命やっている。
しかし、仕事量は手抜きのBさんと大して変らないのだ。
傍から見てれば、たしかにBさんがサボっていることのほうが判りやすいだろう。
私は以前、営業職。
その現場でも同じような事があった。
一生懸命やっても結果が残らなければ意味がない。
逆を言えば、一生懸命やってなくても結果が残ればいい。
そして一生懸命やってないように見える人間は・・・妬まれる。
それがよくある社会の流れというか・・・
さらによくあるもう一つの社会の流れというか。
先日、秋葉さんとDさんは昼飯一緒に食いに出かけてたような気がする。
会社には必ず、仲のいい人、悪い人の流れが出来る。
下手なことは言えないかも。(汗)
「Bさんは仕事が速いから、サボってるように見えるかもしれませんね。(汗)」
「ふ?ん」
なんてことを話しているうちに、倉庫に着く。
「悪いね、じゃあこれを積んでくれる?」
「すごい量ですね、これは何ですか?」
「返品」
「え!これ全部ですか!」
「そう」
「それで・・・これをもって帰ってどうするんですか?」
「作り直すんだよ」
「もしかして・・・工場でですか?」
「そう、穂高さんも大変だね?頑張ってね」
靴屋の流通システム。
先ず問屋がメーカーに注文を出す。
メーカーが注文の靴を納品する。
そして問屋がその靴を返品する。
そしてメーカーが再度納品する。
そして問屋が再度返品する。
メーカーが再度納品する。
靴がなくなるまで、その作業が続く。
売れるのか、捨てるのかは、靴による。
返品靴を積んで会社に戻ると、私の持ち場の仕事は終わってなかった。
Bさんが言った。
「おう、仕事なくなるといけないからよ、残しておいてやったぞ」
Cさんが言った。
「おい、もう皆終わるからよ、大急ぎでやらねえと置いてかれるぞ」
私がやれば1時間もかからない量の仕事だ。
2時間以上Bさんは何をやっていたのかというと・・・
たぶんいつも通りにチンタラやってたんだろうけど。
そのBさんが近づいてきて、私に囁く。
「おい、秋葉の野郎、なんかいってたか?」
「え、いや?別に。(汗)」
「あの野郎には気をつけな、あいつはスパイだぞ!」
「そ、そうですか?・・・・ショック
それよりとりあえず、大急ぎで持ち場の仕事を終わらないと。
他の職人はさっさと上がってしまった。
結局、私が一番最後になった。
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師匠が一人で着替えをしていた。
「よう、遅かったな。どうだ?皆冷てえだろう?な、さっさと帰っちまってよ。今頃ビール飲んでるよ。判るか?ビール。あ?そう。そういうもんだ、世の中なんてのはよ、誰も守っちゃくれねえよ。自分のケツは自分で拭くんだ。じゃ、オレもビール」
師匠は私を待っていた・・・訳ではなく。
単に腰曲がってるので着替えるのが遅かったのだった。
しばらくして、Bさんの持ち場は替えられた。
・・・やっぱりスパイ?
ブログランキングです。
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いや?私の場合。(^^ゞ
ミッション・インポッシブル(スパイ大作戦)
単にこの画像貼り付けたかっただけだったりして。(汗)

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