やるか辞めるか？究極の決断 – なりゆき主夫のリアルな日常 – 楽天ブログ（Blog）

解雇されるか、やりたくない仕事をするか。
ある意味、究極の選択といえるのだろうか？

しかし実際には、やりたくない仕事がなんなのか判らない。
もしかしたら、それほどやりたくない仕事でもないのかもしれない。
もしかしたら、それほど大変な仕事でもないのかもしれない。
解雇されたら、明日から路頭に迷う訳だが、とりあえず明日は路頭に迷わない方が良さそう？
本当に嫌だったら、その時にまた辞めればいい訳だし。
こうして人間は騙される訳だ。

私は言った。
「やります」
社長はいった。
「じゃあ実際の仕事内容は秋葉と石井に訊いてくれ、元々君がやりたかった仕事じゃねえと思うけどよ、頼むよ?！」
「わかりました」

「じゃあちょっと一緒に行こうか」
私は秋葉さんの後をついていった。
「穂高さんごめんね?オレ人に教えるのって苦手なんだよね」
「いや、ま、見てて憶えられればそれでもいいんですが」
「いや?っていうかさ、オレも明日からいないからさ」
「え！」
「オレも今日知ったんだよ、っていうか、本当に潰れるとは思ってなかったし、クビになるとも思ってなかったよ」
「っていうことは、誰が残るんですか？」
「穂高さんと、さっき呼ばれた３人だけだよ」

そして３人が残った・・・Byジェネシス
なんていってる場合ではなく。
大胆なリストラだと思った。

中国女と小僧と入社したての新人。
　　
・・・と今日まで職人見習いだった私。
こんなメンバーで会社が動くのだろうか？・・・・
とりあえず、私は秋葉さんに訊いた。
「で、私は何をやればいいんですか？」
「たぶん、とりあえずは仕掛け出しだね」
「しかけだし？」
「材料を揃えて、渡してもらうことになると思うよ」
「誰に？」
「外注」
「は?・・・で、それは誰？」
「ごめんね?オレ、教えるの苦手なんだよ?」
「そう言われても、多少は教えて貰わないと・・・全くわかりませんが・・・」
「それもそうだね、それから、材料も注文してもらうことになると思うよ」
「どこに？」
「材料屋」
「は?・・・で、それはどこに？」
「ごめんね?オレ、教えるの苦手なんだよ?」
「そう言われても、多少は教えて貰わないと・・・全くわかりませんが・・・」
「それもそうだね、じゃあちょっと待っててよ。おい、石井、ちょっと来い！」

「なんすか？」
「おまえ穂高さんに教えてやれよ」
「え！オレだって判らないっすよ」
「ばかやろう！オレが今までやってたことを教えればいいんだよ、じゃあ穂高さん、後は石井に聞いてね、それじゃ！」
秋葉さんは去っていった。
結局一緒に飲む機会はなかった訳である。
奢ってくれることを期待していたのに、残念。
「じゃあ石井くん、オレはどうすればいいの？」
「いや?っていうか、何をやれって言われたんすか？」
「しかけだし」
「ああ?じゃあ、どこらへんを知ってるんすか？」
「何もかも知らないんだけど・・・」
「そうすか?・・・・とりあえず今日はやらなくていいんじゃないすか?？」
「そうなの？それも知らないんだけど」
「たぶんそうっすよ。っていうかこんな状態で何すればいいのかわかんないっすよ?！」
「それもそうだな・・・で、何すればいいの？」
「とりあえず、時間まで工場にいればいいんじゃないっすか？」
「そう・・・」

工場には工場長が一人。
所在なさそうに座っていた。
私は工場長に言った。
「とりあえず、やることないみたいですが・・・」
工場長は言った。
「とりあえず・・・どうするか・・・とりあえず、掃除するか?」
何を掃除するのか？
よく判らないが・・・・とりあえず、掃除だ。
掃除をしなから、工場長に訊いた。
「これから、どうなるんですか？」
工場長は、言った。
「・・・知らん」
その日は５時までず?っと掃除をした。
残業しないで帰るのは久しぶりだった・・・っていってる場合なのか不明。(ToT)/~~~
つづく・・・
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