アホアホレンジャーの実刑(最終回) – なりゆき主夫のリアルな日常 – 楽天ブログ(Blog)

今回の一連の流れを書き始めたのは5月末。
世の中既に夏休み。
もういい加減このシリーズ終わりにして、新しい展開にしたほうが良さそうだが、どうにも話が長くなってしまう病気?の上、中々更新出来ない体質?のため、申し訳なく思っています。
いよいよ今回で、最後にします。
長いことお付き合い頂き、ありがとうございました。
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花子は中学の運動会で、何故か1000メートルに出るらしい。
誰もやりたくないからか、理由はよく知らないが、スタミナに全く自信のない花子が選ばれるのには裏がありそうだ。
でも本人は、やる気があるともないともつかない興奮状態である。
とりあえず、トレーニングしたほうがいいんじゃないかと思っていた。
しかし、どんな練習をすればいいのか、よく判らなかった。
進んで練習をするとは思えないし。
ならば、どうやってやらせるか??
私はアホアホレンジャーたちに言った。
「よし、おまえたちは、走れ。ちょうど花子が走らなくてはいけないから、おまえたちも同じように走るんだ。いいか?」
アホアホレンジャーたちは言った。
「はい!」
私はアホレッドに訊いた。
「荒川を走ったことはあるのか?」
アホレッドは言った。
「あります。少年野球のチームに入ってたときはよく走りました」
「そうか、じゃあ大丈夫だな。大体、何キロくらいあると思う?」
アホレッドはアホイエローに訊いた。
「え、どれくらい?2キロか、3キロくらい?」
「わからない」
私もよくわかっていなかった。
しかし、妻がウオーキングしていた頃は、1時間くらいかかっていたようだから、20分か30分はかかると思う。
「オレもよくわからないけど、まあそんなものだろう。学校のマラソンは何キロだ?」
「8周以上」
こいつらの学校は、マラソン大会をしないのだ。(汗)
そのかわりに、20分休みに自主的に走る子は走る。らしい。
ま、いいんだけど・・・
おそらく、アホブラックと太郎は、教室の隅でほっこりしている?グループなので、走りきれない気もするが。
アホグリーンは?
よくわからないのだ。
アホグリーンが言った。
「途中で苦しくなったらどうすればいいんですか」
私は言った。
「死ぬかもしれないと思ったら休んでいいよ。ただし、歩かないこと。そして、いいか。絶対に、一番になること」
「無理です」
「一番になるつもりで走れという事だ。太郎には絶対に勝つように。太郎は、必ず一番になるように。タイムも、測る」
アホレッドの目が光った。
自信があるのだろう。
太郎の目が、どよ?んとした。
自信は、まったくないのだろう。
これが平等であり、平等でない罰だ。
元々、罰は与えて凹ませるのが目的ではない。
今までのことを反省して、これからはしっかりすれば、それでいいことだ。
しかし、それが出来ないから・・・困る訳である。
少々楽しく、辛い目にあってもらえば、もしかして自信にもつながるかもしれない。
私たちは荒川まで自転車を走らせた。
河川敷は保護者同伴でなければ行ってはいけないことになっている。
事故などの防止という観点から考えれば当然なのかもしれない。
しかし、荒川の土手は基本的に、大人が行って楽しいイベントが待っている訳でもない。
野球やサッカーをやらせている父兄以外は、日焼けしたい男と、ペットの散歩をさせている人くらいしかいない。
熱心なお父さんやお母さんも、よその子供を引き連れてまでは行かない。
ようするに、荒川で遊ぶ子供は、実際にはとても少ないのだ。
だからこのイベントに全く関係ないビワコと、ビワコの友達も便乗して、行くことになった。
ビワコ達は、ちょっとしたハイキング気分だ。
(といっても家から歩いて10分もかからないんだが)
私は土手の下で、子供たちに準備体操をさせた。
「いいか、ここからこの橋を渡って、向こう側の土手をず?っと走って、向こう側の橋を渡って、ここまで戻ってきたらゴールだ。ビワコたちもやるのか?」
「う?ん・・・やらない」
「じゃあ土手でダンボールすべりでもしてなさい」
「穂高さんも走るの?」
「いや、オレは走らないよ、一応おまえたちは罰で走る訳だからな、たぶんアホレッドが判っていると思うけど、長距離を走る時にはペースを考えて、歩かない程度にゆっくり走れよ。でも歩くんじゃねえぞ。辛くても歩くな。辛かったらその場に止まって、また走りなさい、いいね」
「大丈夫です」
「太郎、おまえは大丈夫だと思うか?」
「わからない」
「とにかく、おまえは一番になること。わかったか?」
「わかった」
一番になれるとは思ってないが・・・(汗)
「よし、じゃあ、走ってこい。よ?い、スタート!!」
花子と太郎、それにアホアホレンジャーは走り出した。
結構トロいペースだが、ま、いっか!
目の悪い私は、橋をわたった連中をすぐに見失った。
15分ほどしてから、ビワコ達をおいて、自転車でおいかけた。
やはり太郎がビリだ。
しかし、一応走っている。
諦めずに走っていれば、それだけで充分か。
何でも逃げる、自分の都合のいいように事実を曲げる。
そんな太郎も逃げ場がなくなれば、やらなくてはいけない。
それはカッコ悪いかもしれないが、やり遂げた時には、自信もついてくるものだ。
自信がないから、ダメ人間のままなのだ。
アホアホレンジャーの助けを借りて、同じことをとりあえず出来るようになりなさい。
そうすれば、くだらない見栄や体裁のために苦しむ必要はないのだ。
「太郎、オレは先に行くぞ、頑張って追いかけてこい」
私は先に行った。
その前に、アホブラックがいた。
片腕は小さいが、根性はある奴だ。しかしもう泣きそうだ。
「頑張れ、負けるな、アホブラック!」
と、この2人に係っている間に、後の4人はみなゴールインしてしまった。
「タイムは?」
アホレッドが訊いた。
「大体、25分ってところだ」
「オレは?」
アホイエローが訊いた。
「似たようなもんだ。ところで、誰が一番だったんだ?」
「え?花子。ゴール間際で抜かされた」
「なんだ、結局おまえたち負けたのか。ま、仕方がないか。誰かが勝てば、誰かが負ける。それが勝負だ。全員が勝てる訳がないのは、判ってただろ?」
「まあ・・・」
そうこういっている間に、ようやく太郎が戻ってきた。
皆に遅れる事10分ほどという感じだ。
「ようやく、帰ってきたな。太郎、おまえは勝てなかったけど、とりあえず走ったな。途中で止めようと思ったか?」
太郎は言った。
「やめようと思ったけど、やっぱり走った」
「それでいい、気持ちだけでいい。全員が勝てる訳がないんだ。そして、勝った人間はすごいし、負けた人間も一生懸命やっただけですごいんだ。おまえたちの中で、太郎をバカにしたい奴はいるか?」
「いません」
「わかったか太郎。おまえがビリでも、虐めるやつはいないよ。しかし、全員が勝つ気にならなければ、成立しないのも勝負だ。太郎がいつも、勝負する気がないのはおまえたちも大体、わかってるな?」
「まあ、太郎くんはクールというか・・・」
「クールじゃない、自信がないんだ、弱いから。図体はでかいけど、弱っちいんだ。だから盗みをする、嘘をつく。全く、根本的に、だらしない男だ。でも、やれば出来るということに、気づかなくてはダメだな。どうだ、気づいたか?」
「気づいた」
「ま、今回、おまえたち全員が一番でないけど、一応本気で罰をうけたと思うから、許してやる、ただし!」
私はしつこく念を押した。
「いいか、おまえたちはもう、2度と同じ間違いをするな。太郎が嘘をついているとか、悪い事をしていると思ったら、直にオレにいうこと、いいな?」
「はい」
「それから、おまえたちの一人一人も、そうだ。例外はないぞ。誰かが悪い事をしたり、嘘をついたりしていたら、おまえたちがなんとか出来ることは自分たちでなんとかするんだ。そんなことをするなっていうんだ。勇気がないか?仲間外れにされると思うか?そんなことで仲間外れにするな奴は元々友達を持つ資格がないんだ。仲がいいとか、誤魔化すな!面倒も見られないのなら、どこが仲良しだ。困っている人間がいたら、助けなさい。黙って良い行いをしなさい。それが本当に、カッコいい男ってことだ、わかったか?」
「はい」
本当に判ったとは思えないが、あまりしつこく話しても効果がないので、このへんで。
「よし、じゃあこれで罰は終わりだ。帰るか?」
アホアホレンジャーはお互いに顔を見合わせた。
太郎が言った。
「ここで遊んじゃダメなんでしょ?」
私は言った。
「なんで?遊んじゃダメなんでしょ?って訊くな。ここで遊ぶってことはどういうことだ?保護者がいなければ遊べないんだろう?オレがいなければ遊べないんじゃないのか?だったら遊びたい時は、オレにお願いするべきなんじゃないのか」
アホアホレンジャー達は声を合わせた。
ことごとく「いっせーのーせーで」が好きな連中である。
「ここで遊びたいです!よろしくお願いします!」
ということで、私たちは川べりに行った。
子供のやりたい遊びっていうのは、大人がやりたいことと微妙に異なる。
子供がやりたいこととは・・・
カニ取りだ。
私はビワコの友達の女の子で、岩場とカニが怖い子と二人、芝生の上に座っていた。
「あんなことやってなにがおもしろいんだろうね?」
私は、「そうだね?」といった。
そして、必死でカニを追いかけているアホアホ軍団を見守っていた。
終わり・・・・
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いや?長かったですね、お付き合いいただき感謝しています。
で、なんでこんなに長くなったのか。
実は、この結末があったから、このことを書いてもいいかな?と思ったのが6月初旬。
ここで終わればハッピーエンド。
しかし、その実態は・・・
全然懲りてないことが発覚。
現状で太郎は丸坊主。
丸坊主になったら反省したか?
微妙です・・・(汗)
子育てが奇麗事でないことを痛感しています。
ようするに、悪い性癖は簡単には直らないのが現実。
子育ての旅は、長いのです。
今回、一連の罰の話は終わります。
でも、私が子供の面倒を見なくならない限り、また何か事件はおこる。
それを書く、書かないは別にして。
いずれにしても、続くのです・・・
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とりあえず次は軽いノリで行きたいかも。(汗)

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