調書、アマデウス、天の川 – なりゆき主夫のリアルな日常 – 楽天ブログ(Blog)

来てほしいとのことなので、とりあえず警察へ行った。
ちょっと小太りの刑事?さんが担当のようだ。
私は調書を書いた。
いや、正確には私が喋った事を刑事さんがバチバチとノートPCに入力して、プリントしたものに私がサインしたのだ。
もっとも、「犯人を厳しく罰してください」とは言ってない。
おそらくはどちらも悪い訳で、私の弟は運が悪かったということ。
私はそんなことは言っていないというと、では何と書き変えますか?というので、まあ、公平に?それなりに?別に法律的に罰して欲しいとは思っていないんだけど、というと、
「お兄さん、これは本来被害にあった弟さんに書いてもらうものなんですけど、状態が状態ですから、届出を書けないじゃないですか。そこでお兄さんに代理で提出してもらっているわけで、本人の意識がしっかりして、じゃあ訴えないということになったら直に連絡してもらえばいいんです。とにかく、これをやっておかないと先に進まないんですよ。ただ一発二発殴られて歯が折れました、顔が腫れましただったらおまえらいいかげんにしろですむ問題なんですけど、実際には病院で寝ていて、今後の生活だってどうなるかわからないじゃないですか。こういう事態になったら後々問題が出てきたときにまずい事になる可能性があるから作るわけで、言ってくれればすぐに訴えを取り消して、この書類は処分しますから。」ということなのだそうだ。
よくわからないが、「犯人を厳しく罰してください」というのは決まり文句らしいので、「じゃあそのままでいいです。」といった。
よく読むと、病状のところに「脳みそに青タン」とか、弟のことを「モノグサ」とか「金にルーズ」とか書いてある。それはたしかに喋ってしまった。「それで婚期が遅れた」?そんなことは言ってないが。
「そんなに重要な書類じゃない訳ですか」と聞くと、「そうです。形式ですから」と言った。
形式といっても、そんな文面を記録として残していいのだろうか?
まあいいだろう。
納得のいかない点も多々あるが、とりあえず私はサインをした。
「後、加害者のお母さんがどうしても話をしたいっていってるんですけど、電話番号を教えてもいいでしょうか?いや?こういう時期だから家族の方も気が動転してるしそんなときに連絡もらっても答えることなんてないから時期を見てにしたらどうだっていったんですけどね?相手のお母さんも私と同じでせっかちみたいで毎日電話かけてくるんですよ、とくに話はしなくていいんですよ、ただ謝りたいってことだけなんですけど、いいですか?」
というので、う?ん・・・謝られてもとりあえず、「いや?お互い様ですから」なんて言えないし、いやだな?と思いながら、「じゃあ、とりあえず、はい、としか言いませんけどそれでよければ」といって携帯番号を教えていいことにした。
病院に行くと、弟は若干熱が出てきたようだ。
感染症が怖いので、しばらく水は飲めません、だそうだ。
ちょっと起きたので、一言二言話した。
「警察にいってきたぞ」「なんで?」
「おまえの代わりに調書にサインしてきたんだ」「そうなの」
「日曜日のことは憶えてるのか」「あんまり憶えてない」
「久しぶりだな」「うん」
「オレに子供がいるの知ってたか?」「うん?そうだっけ」
「とりあえず寝てたほうがいいな」「うん」
こんな調子だ。トンチンカンとも取れるし、そんなもんかって感じでもある。
また寝たので、私は帰ることにした。
モーツァルトを聞いて、脳のケガから回復した話を、「アンビリーバボー」か何か、そんなテレビ番組でやっていたような気がする。
たしか弟は以前、映画「アマデウス」のサントラを持っていた。CDじゃなくて、LP版で。
それをカセットテープに録音して、ウォークマンで聞かせたらどうだろう。
と思って、家に帰ってきてしまいこんであるレコードを探したが、ない。
CDをレンタルしてこようと思って店に行ったが、「アマデウス」のサントラは見当たらない。
DVDに音声サントラモードってのがある。
よし、これだ!と思ってDVDをかりてきた。
さて、サントラモード、音楽以外の音(声など)が聞こえなくなっているしかけだ。
つまり、シーンが変わると音楽はプツッと止まる。
深刻に喋るシーンは、無音になる。
驚きのシーンでは、オーケストラが「ジャジャーン!!」と入る。
こんなんでいいのだろうか・・・
加害者の母から電話がかかってきた。
本当に「はい、はい、はい」と言って電話を切った。
今日は七夕ということで、天の川を見たいから荒川に行こう、と子供達がいう。
「いいよ、じゃあやることすませて」といって先のDVDのダビングの続きをしていた。
結局、私が殆ど面倒を見ていないのもあるが、宿題を終わらせることが出来ずに寝る時間になってしまったので、荒川天体観測計画は中止。
ちょっと可哀相だったが、どのみち荒川から天の川は見えない。

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